2004年12月
2004年12月22日 23:28
＜Ｑ＞私は運輸会社の社長です。長男は私の事業を継ぎたいと言っております。しかし、子供を後継者をすべきか、どうするか考えています？後継者を決める場合のコツを教えて下さい。
＜Ａ＞
１子供に経営手腕が見込めるか
経営は「経験学」です。学校では学べません。
子供には資産は残せますが、経営についての手腕を残せるかは子供の資質・経験・育て方などによります。
大切、大切に養殖のように育てては会社の後継者はつとまりません。事業承継の要諦は長男に経営手腕が見込めるかです。
２資産承継と事業承継をそれぞれ考える
私は仕事柄、多くの事業承継のパターンをみていますが、最近の子供への承継は「財産承継」と「事業承継」を分けて考えることも必要です。いづれの対策も一族が「もめない対策」が必要です。
３事業承継を成功させるパターン
◆子供が経営手腕がない場合
子供には「資産承継」のみ行う。事業承継は第三者や他の親族にまかせる。
また、孫に期待する場合もある。
◆子供の経営手腕に見込みがある場合
・長男には外の飯を食わせ、社内では赤いジュウタンをしかない。
・営業、財務に優秀な補佐役を付ける「補佐役作戦」
・一時的に従順な他人を登用する「ピンチヒッター作戦」
・システムで動くようにする「システム作戦」
2004年12月21日 09:37
＜Ｑ＞銀行が金利の上昇の話を持ってきましたが十分な説明がありません。喧嘩をしたくないで契約しました。こんなことってあるのですか？
＜Ａ＞今は、金融機関には融資説明義務があります。
金融庁は昨年７月に金融機関の貸し出しや保証契約について顧客に説明する体制の整備を促すため、監督上の指針となる「事務ガイドライン」を改正しました。この事務ガイドラインでは
◆取引関係等を見直す場合の説明として
「金利の見直し、返済条件の変更、追加担保設定・解除等の場合」
顧客の理解と納得を得ることを目的とした論理的・合理的理由の説明を行うこと。→だから「本部から指示で…」「検査マニュアルによって……」といったような抽象的なものでは適切な説明とは言えません。
従って、金利アップの説明が不十分な場合は事務ガイドライン違反となります。
金融機関の説明責任とは関係なく、社長として大切なことは、まず誤解のないよう金融機関との意思疎通をしっかり持つことが必要です。借主と言うことで卑屈になってはいけませんし、こちらが利息を払う客だと言うことで金通機関に対して横柄な態度を取ることも会社のＴＯＰの態度としては感心できません。言うべき事は言い、融資に関する内容とリスクを正しく理解することが必要です。
2004年12月18日 22:09
【ホテル経営者からの相談】
＜Ｑ＞私は６０代でインターネットは不得意です。しかし、ホテル業界ではインターネット予約が進んでいるように思います。成功のコツがあれば教えて下さい。
＜Ａ＞インターネットを万能と考えないで、インターネットはあくまでも予約方法を複合化する一手段であるという視点で考えて下さい。
◆１ ターゲットとのマッチィング まず初めはインターネットは主に若い世代が中心となりますが、問い合わせある客層に応じて宿泊プランを提案します。インターネットは手段ですので、「まずお客様ありき」です。
◆２ ホテルの特徴に併せた宿泊プランの提案 これがないと価格競争となり、数を売らないと儲かりません。まず宿泊プランをテスト販売してみて下さい。
◆３ 検索エンジン対策 「yohoo」「google」で上位ランクされないと作った意味がありません。デザイン系のｗｅｂ作成会社は注意です。
具体的には地域のホテルで上位１０位内にランクされるように検索エンジン対策をします。
◆４ ツー・クリック作戦 わかりやすいホームページが必要です。
◆５ 個客管理 個客データを名簿として蓄積します。 再来館のために必要です。個客の特徴がデータをして蓄積され宿泊プランの提案、館内でのフレンドリーサービスの情報源となります。来館時に一つずつ個人データの蓄積をします。
◆６ アナログ対応 インターネットはデジタルでも、メールの返信したり、インターネット予約担当は、インターネット予約者がホテル来館した時には挨拶にフロントに来るなどアナログ対応で差をつけます。これは忘れがちです。インターネットで予約する相手は「生身の人間」です。デジタルでも「情」は大切です
2004年12月16日 13:55
今、新聞・TVで何かと話題の「ドン・キホーテ」だが、その商売繁盛の秘訣を探り、自社への応用を考えてみよう！
◆１ ドンキの特徴はズバリ３つ
安売り競争が限界と言われる流通業界で、ディスカウントストアのドン・キホーテが急成長している。午前零時を超す深夜営業が奏功し、独身者中心の“若者ナイトマーケット”をせっけんした。若者の楽しみは、安い物を探し当てたと感ずるところにあるようだ。
その特徴は３つだ。
ＣＶ…コンビニエンス（便利・営業時間）
Ｄ…ディスカウント（安い）
Ａ…アミューズメント（楽しい陳列・店内の店内曲）
◆２ マーケティング面の特徴は「圧縮陳列」
ドンキでは、ターゲットを若者に絞り楽しい陳列を演出する。
ドンキではスーパーよりは狭く、コンビニエンスストアよりは広い店内に、日用雑貨、食料品、ＡＶ（音響・映像）機器や家電製品が所狭しと並べている。陳列と言うよりも製品の詰め込み・積み重ねといった感じである。創業者の安田隆夫社長は店舗を「熱帯雨林」「圧縮陳列」と称している。
大部分の客は夜の１０時頃からやってきて、平均１時間半も店内にいる。若者客は、狭い道の両側にぎっしり並んだ夜店を眺め歩くように、棚と棚の間の狭い通路で、品定めをする。ドン・キホーテでの買い物は「縁日の夜店」の楽しさに似ています。ダウンタウンの松本君や若いカップルはここでのショッピングをデートや時間つぶしに利用しています。
◆３ 仕入の工夫
刺激的な売り場作りの原点は、仕入れや値決めについての徹底した現場への権限委譲している。客の生の声を毎日聞く売り場の店員が、それぞれ仕入れ予算を持って商品を手当てするのだ。損益も各店員レベルで管理する。
2004年12月15日 18:22
【ある会社社長からの相談】
＜相談内容＞安定した経営体制の作り方
私は製造会社の社長で、販売会社は父と叔父で経営しています。しなしながら、事業承継時に叔父とうまくいくか心配です。どうじたら良いのですか？
＜アドバイス＞
◆１ 独自で受注を取る＝経済的に独立する
販売会社に頼らず経営できる得意先を育成する。→独立作戦。現在、「独自顧客６０％、販売会社４０％」なので独自顧客を増やしていく。
◆２ 持株の確保＝法律面で課題
経営権の説明を行い安定経営のために必要な持株を保有する。叔父の持株比率は１／３未満とする。１／３は株主総会の特別決議の否決権。最終的には叔父から株を買っておく。
商法では、持株のポイントは１／２で株主総会の普通決議（役員の選任権等）、２／３で特別決議（合併など何でも決められる）の決定権をもつ。１／３は特別決議の否決権。
◆３ 将来的には分社経営をやめ合併も考える。
特に、製販の分社は経営体として無理がある。各社は自分で受注をすることが必要である。
叔父がいなくても受注の確保ができるよう、販売会社の父とお客様訪問をしておく。
◆４ 中小企業は経営者＝株主なので、オーナー社長一族の将来設計を考える。
すなわち会社の事業計画と、社長の○○家の将来設定（長々期＝２０年）と併せて考える。
2004年12月13日 10:32
【増収】造園業者の売上アップ作戦の秘訣！
【造園業者の後継者からの相談】＜Ｑ＞当社は日本庭園作りがメインの仕事です。現状の売上構成は、民間剪定売上１／３、業者からの委託売上１／３、公共工事売上１／３です。全体的に需要低迷で売上アップの秘訣を教えて下さい。
＜Ａ＞得意先群別に「売上の確保」と「売上のアップ」を考えよう。
◆剪定売上は確保する 売上目標３０百万円 対策は
(1)販売カレンダーの作成（春）施肥→殺虫剤→（秋）剪定
(2)お客様名簿の作成…(1)でサイクルを把握し、電話連絡で毎年の受注確保 (3)身内作戦の実施…お客様に庭園業務を紹介してもらう ※この市市は一人、間に入れば皆、知り合い
(4)お客様にとって「My 庭師」を目指す。
(5)毎年の剪定は「お客様を囲っている」と考える 「友の会」を作り、イベントを行う
(6)８名の技能資格者をアピール。
(7)社長のお客様訪問
◆業者からの委託売上の増収策 売上目標３０→６０百万円
(1)現在、土木業者２社、エクステリア業者3社、建築業者２社の下請だが、代理店を増やしていく。具体的には
(2)Win・Win作戦の実行 a販売マージンを決める。b商品パンフレット、施行事例集などの販促ツールを作成する
(3)新規の紹介ルートの開拓 a候補…銀行、会計事務所、設計事務所 b 候補先をタウンページでつぶしていく
(4)元請…毎年の剪定が、次回受注のチャンス
◆公共工事の確保策 売上計画３０百万円 専務が得意なので提案営業を継続する
◆新商品の研究 (現在)日本庭園 (今後)洋風ガーデン、食栽管理、屋上緑化、土壌改良、公園整備等
◆営業所及び資材置き場の環境整備
(1)整理、(2)整頓、(3)清掃は事業経営の基本
2004年12月10日 18:52
【老舗写真館の社長・専務からの相談：場所は地方都市】
＜Ｑ＞ここ数年デジカメブームもあり、売上減少が続いています。成人式のチラシも反響もありません。売上の割合は学校のアルバムが５０％、スタジオ撮影が３０％、他２０％です。息子に代を譲るためにも売上アップが絶対的に必要です！
＜Ｑ＞売上アップの１０大作戦をしよう！
◆学校対策
１ 学校へは、顧客確保のために社長が表敬訪問する。←トップ営業
２ 非価格競争にならないために自社の売りを明確に意識してライバル写真館より磨く。貴方も写真館の売り物は何ですか？
３ 他の学校を「身内作戦」で紹介してもらう
◆スタジオ撮影
４ 顧客名簿を収集し、サイクルを告知する
（１）来店客の名簿、地元の学校、保育園、幼稚園などを入手する
（２）スタジオ写真が必要なサイクルをとらえＤＭ、声かけ。
…「お宮参り→七五三→入学・卒業→証明写真→結婚写真→記念日→遺影」とメモリアルビジネスにはサイクルがある
（３）購入者は、両親・祖父母である。
◆提携先の開拓
５ Win・Winの法人を開拓 →（１）販売マージンを決め、（２）サービスパンフレット・写真集を作成し代理店を開拓する。具体的には市内の美容院、貸衣装店、着物店、着付教室に訪問、ＤＭ、電話などでアタックする
６ 身内マーケティング…社長、店員、親類の知人・友人を紹介してもらうことをいつも心がける
７ My写真館の研究…写真は機能でなく見せ方＝「しまう写真」から「見せる写真」を研究する
◆まだある増収策
８ 繁盛店の研究繁盛店は仕入業者や聞き、自分でも調べる社長と息子で直接訪問し研究する
９ 後継者の丁稚奉公後継者はノンビリしており、写真館を一生やるなら繁盛店で一年勉強する
１０商業系の販促ツールへのチャレンジ。例えば、写真を使った高級名刺はできないか。メモリアルビジネスから商業系の販促ツールを研究する。写真館に未来売上があるか保証できない。
2004年12月09日 20:59
＜Ｑ＞当社は自動車部品の下請加工業です。売上は年３０００万円ですが、借入は８０００万円程度あります。将来の見通しがたちません。会社の経理内容もよく分かりません。
＜Ａ＞
悩んでいても仕方ありません、現状をまず調べて「闇試合」を回避して下さい。
１ 財務内容の概況把握
・時価貸借対照表の作成
・借入金一覧表の整理（担保、保証人の情報含む）
・３ケ月間の資金繰予定表（手形に注意）
２ 営業利益がでる見込みがあるかの検討
・営業利益がでない→会社整理の方向で検討する
・営業利益がでる→会社継続の方向で検討する
３ 会社継続の場合
・経営改善計画を立てる銀行に返済条件の交渉
※実質は返済計画書です。
・どうしても交渉がうまくいかないときは、支払いを止めたり、特定調停法を検討する
2004年12月07日 00:02
＜ある女性社長からの質問＞
先日、「ヨン様…」の来日で羽田空港に３０〜４０代の女性女性が４０００人殺到した。４０００人は史上最高の人数である。
「ヨン様」は「冬のソナタ」は二○○二年の韓国ドラマの主人公。今日は、作品の善し悪しでなく、マーケティング的に見た韓国映画ヒットの秘密を解明しよてみよう。
◆韓国放送によると
（１）徹底した売り込み
・「韓国のテレビ局は海外でのドラマ放送が決まると、俳優や監督をその国に派遣してどラマを売り込みます。」
◆ヨン様主演のドラマ「ホテリアー」を制作したＭＢＣプロダクションによると
（２）徹底した低価格戦略
十年ほど前から、低価格戦略で海外市場に攻勢をかけています。ドラマごとに中国語のパンフレットを作るなどＰＲに努めています
実は「冬のソナタ」な日本でのヒットの前に台湾でしっかりとヒットしています。
◆韓国放送映像産業振興院によると
（３）速さで海賊版に対抗
「海外に売ると海賊版が出回るのでは？」。との疑問に、「スピードが重要です。韓国は国内で放送するのとほぼ同時に海外に売るので、海賊版にも先手を打っています」
やはりヒットの裏側には、しっかりとしたマーケティング戦略、つまりしっかりとした価格設定と作品のアピールと言う販売促進活動があるのですね。
だた、ここまでのヒットはなかなか予想できません。ですから社長は商品の開発に際して「テスト販売」をしてヒット商品を探していきます！
（参考：日本経済新聞２００４年７月１１日エコノ探偵団他）
2004年12月04日 18:44
国税庁は先日、法人税の申告状況をまとめて公表しました。今年６月までの一年間（２００３事務年度）に税務申告した企業などの法人データです。
◆ことしも黒字会社３割
黒字申告の割合は前年度比０．５ポイント増の３０．８％で、３年ぶりに増加しました。申告法人数は全国２９２万法人です。
ただし、資本金１億円以上のいわば大手企業の半分は黒字割合は５０％ぴったりでした。
◆税務調査の状況
申告内容に疑問のあった１１万５０００法人に税務調査を行い、８万６０００法人から１．３兆円の申告漏れが見つかりました。調査対象法人の約２０％では不正な所得隠しがありました。
一件当たりの所得隠し金額は１５６０万円で過去最高だった前年度に次いで二番目です。
◆脱税の手口
個別の事例を見ると、商品仕入れの際のリベートを隠し外国債で運用していた財団法人や海外の取引先と架空のコミッション契約を結んでいた貿易会社などです。
◆脱税の多い業種
不正発見割合の高い業種は、（１）バー・クラブ、（２）パチンコ、（３）廃棄物処理です。
不正申告１件あたりの不正脱漏所得金額でみると、（１）貿易、（２）自動車・同附属品製造、（３）パチンコの順番となっています。
2004年12月02日 10:48
＜Ｑ＞よく新聞では、企業を買収し、再建して転売する企業再生ファンドをみかけますが、どうやって企業を再生させるのですか？
＜Ａ＞特殊な手法は用いません。その業界に骨を埋める覚悟で再生します。
私が入手した情報では地方スーパーの再建は次のとおりでした。
◆第一段階◆
投資会社の役員と店舗運営専門家を再生会社に送り込む。
◆第二段階◆
不採算店の閉鎖、繁盛店の改装を行う。つまり、まず赤字の止血である。
しかしこれだけではリストラにすぎないので、高い利回りでは売れず次に収益アップを図る。
◆第三段階◆
ＰＯＳデータから売れ筋商品の調査をするとともに、各店のお客様からレシートもらい利益貢献度や来店頻度の調査を行った。
その結果、優良顧客は「徒歩圏に多く」「衝動買いが多く」「鮮度や品質に敏感」と言うことがわかった。
◆第４段階◆
第３段階で得た情報をもとにモデル店を決め利益貢献度と来店頻度を考慮した品揃えを行う。細かな例を言えば、鮮魚は少量パックとし、お客様が気にする鮮度表示を行った等々である。
